この仕事が楽しいと思うとき

特許図面を描き始めて10数年になりますが、最初のお客様の言葉が忘れられません。やっとの思いで仕上げ、ファクスをすると、30分程で電話。「おたく新人さん?」私「はい」お客様「どうりで間違えが多いと思った」
とその電話でかなりおしかりを受けてしまいました。しかし、最初のお客様がこのお客様で良かったと思っています。当面の目標をこのお客様を満足させることし、努力しました。
あの時悔しい思いをしたからこそ、今の自分があると思えます。

その後どれくらいの年月を経たかは忘れましたが、お客様が私の図面に満足され「イメージどおりに描けてるよ。ありがとう」とおっしゃいました。その仕事は、原図がいわゆるラフスケッチで、物が何かが言葉で書いてあり、「あとは宜しく」という感じでした。それまでにもラフスケッチから図面をおこすことは何度も経験していましたが、そのようなお褒めの言葉を頂いたのははじめてで、非常に嬉しく「よーし次も頑張るぞ」と思ったことを覚えています。

そして今一番得意なのは?と聞かれれば私は「ラフスケッチからの図面起こし」と答えます。
得意というより「好き」なのかもしれません。
機械図面も手がけますが、毎日ですと少し疲れますね。
でも私は作図線もなにもかも書いてある関係者しかわからないようなCAD図面が大嫌いです。
図面屋としてはやはり手書きをイメージした図面を描きたいと思っています。  I.K